Meta Muse とは:モデルの種類と Meta Model API で最初の1リクエストを送るまで

Muse は Meta が現在公式 API で提供しているモデルシリーズで、テキストモデルは Muse Wonder と Muse Spark があり、この記事のサンプルは Muse Spark を使い、最新版のモデル ID は muse-spark-1.3 です。この API は Meta Model API といい、dev.meta.ai で登録し、支払い方法を登録し、API キーを 1 本作ればリクエストを送れます。Muse Spark は入力 100 万トークンあたり $1.25、出力 $4.25 で、使った分だけの支払い、最低利用額はありません。
Muse にはどんなモデルがあるか
API で使えるのは 5 つです。Muse Wonder、Muse Spark、Muse Image、Muse Voice Transcribe、SAM 3.1。Muse Wonder は Meta が 2026 年 10 月 12 日に公開したモデルで、現在はプレビューです。Meta はこれを最も高性能なモデルとしていて、複雑なソフトウェア開発や長時間のエージェント作業に向いています。大量処理や、遅延・コストを重視する作業には、Meta は Muse Spark を勧めています。ほかに Muse Glimmer というオープンウェイトのモデルがあり、自分でダウンロードして動かします。

| モデル | モデル ID | 用途 | 価格 |
|---|---|---|---|
| Muse Wonder | muse-wonder-1.0 | 複雑なソフトウェア開発、長時間のエージェント作業(プレビュー) | 入力 100 万トークンあたり $4.00、出力 $20.00 |
| Muse Spark | muse-spark-1.3 | エージェントやコーディングのようなマルチステップの作業 | 入力 100 万トークンあたり $1.25、出力 $4.25 |
| Muse Image | muse-image-1.0 | 画像の生成と編集。同じモデルでどちらもできます | 画像 1 枚あたり $0.01 |
| Muse Voice Transcribe | muse-voice-transcribe-1.0 | 音声の文字起こし | 音声 1 時間あたり $0.18 |
| SAM 3.1 | sam-3.1 | テキストプロンプトと画像や動画を渡して、対象を囲んだりマスクを作ったりする | 画像 1,000 枚あたり $2.50、フレーム 1,000 個あたり $0.20 |
Muse Spark もコーディングやエージェントに使えます。テキスト、画像、動画、音声、PDF を入力でき、返ってくるのはテキストで、コンテキストは 1,048,576 トークンです。Meta は新しいプロジェクトでは muse-spark-1.3 をそのまま使うことを勧めています。前の muse-spark-1.2 と muse-spark-1.1 は入力できるものもコンテキストも同じで、違いは能力です。
音声は例外です。1.3 は音声理解がまだ不完全で、Meta は音声の処理にはまず muse-spark-1.2 を使うよう勧めています。音声を文字にするだけなら、Muse Voice Transcribe を使います。
Muse Spark の推論はオフにできません。強度は reasoning_effort で調整し、minimal、low、medium、high、xhigh、max の 6 段階があります。max は xhigh よりさらに深い推論で、muse-spark-1.3 と muse-wonder-1.0 が対応し、muse-spark-1.3-contributor は対応していません。none を設定すると HTTP 400 が返ります。
オープンウェイトの Muse Glimmer は 300 億パラメータ、Apache 2.0 ライセンスで、API では提供されていません。Hugging Face の meta-models/Muse-Glimmer-30B からダウンロードします。API キーも審査待ちも不要なので、まず自分のマシンで動かしてみたいなら、ここから始めるのが手軽です。
Meta Model API で API キーを申請する方法
dev.meta.ai では三つのステップで完了します。登録、支払い方法の登録、API キーの作成。

- dev.meta.ai を開いて、Start building を押します。email か電話番号で登録でき、Facebook、Google、GitHub のアカウントでそのままログインすることもできます。登録が終わると、team も一緒に作られます。
- 支払い方法を登録します。登録するまでリクエストは送れません。
- ダッシュボードの API keys ページで、Create API key を押します。
API キーの全体が表示されるのはこのときだけなので、ウィンドウを閉じると見られなくなります。表示されたらすぐコピーして、パスワードマネージャーなど、普段使っている保管場所に貼り付けておきます。
1 つの team で API キーとレート制限を共有するので、API キーを何本作っても枠は増えません。
登録には 18 歳以上であることと、Meta がサービスを提供している地域にいることが必要です。Meta は利用できる国を列挙しておらず、制限リスト(2026 年 9 月 18 日更新)だけを公表しています。リストには中国(香港、マカオを含む)、ロシア、イラン、北朝鮮などが載っています。日本は制限リストに入っていません。
最初のリクエストの送り方
API キーを環境変数に入れて、https://api.meta.ai/v1 に model と messages だけのリクエストを送れば済みます。

公式のサンプルはどれも API キーを MODEL_API_KEY という環境変数に入れています。同じ名前にしておけば、この後のサンプルを貼り付けるだけでそのまま動きます。macOS と Linux ではこう設定します。

export MODEL_API_KEY="your-api-key-here"次に curl でリクエストを送ります。API キーは Authorization ヘッダーに入れます。
curl -X POST "https://api.meta.ai/v1/chat/completions" \
-H "Authorization: Bearer $MODEL_API_KEY" \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{
"model": "muse-spark-1.3",
"messages": [
{
"role": "user",
"content": "What are three differences between TCP and UDP?"
}
]
}'成功すると JSON が返ってきて、モデルの回答は response.choices[0].message.content にあります。
{
"id": "chatcmpl-abc123",
"object": "chat.completion",
"created": 1714502400,
"model": "muse-spark-1.3",
"choices": [
{
"index": 0,
"message": {
"role": "assistant",
"content": "Here are three key differences between TCP and UDP..."
},
"finish_reason": "stop"
}
],
"usage": {
"prompt_tokens": 25,
"completion_tokens": 19,
"total_tokens": 44
}
}これが出れば、API キーと支払いの設定は問題ありません。
コードに組み込むときは OpenAI の SDK をそのまま使えば大丈夫です。Meta は独自の SDK を出していません。base URL を Meta のものに変えるだけで、あとは同じです。
import os
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
base_url="https://api.meta.ai/v1",
api_key=os.environ["MODEL_API_KEY"],
)
response = client.chat.completions.create(
model="muse-spark-1.3",
messages=[
{
"role": "user",
"content": "What are three differences between TCP and UDP?",
},
],
)
print(response.model_dump_json(indent=2))OpenAI SDK は MODEL_API_KEY を勝手に読んでくれないので、API キーは上のように自分で渡す必要があります。
Anthropic SDK を使っていた場合は、互換の Messages 形式でつなげます。ツール呼び出しやマルチターンのエージェントを作るなら、Meta は Responses API を勧めています。検索グラウンディングは Responses API と Messages API で使えます。Chat Completions API は対応していません。三つの形式は同じモデル群を動かしていて価格も同じなので、手持ちのコードが一番直しやすいものを選べば十分です。
リクエストが失敗したときはステータスコードを見る
401 は API キーが設定されていないか間違っている場合です。404 に model_not_found が付くのはモデル ID の書き間違いです。この 2 つは 400、403 と同じで、送り直しても結果は変わりません。直すべきはリクエスト自体です。429、500、503 は少し待って再試行すれば通ります。リトライの間隔はだんだん広げていきます。
リクエストが長引くと、HTTP 504 gateway_timeout で切られます。このときは stream=True をオンにしてストリーミングにすれば、この時間制限を受けません。
Meta Model API の料金
Standard の Muse Spark は入力 100 万トークンあたり $1.25、出力 $4.25 です。使った分だけの支払いで、最低利用額はなく、コンテキストが長くても割増はありません。料金はいったん積み上がり、しきい値に達したら登録した支払い方法から引き落とされます。

ほかに、ずっと安い Contributor プランがあります。
| Standard | Contributor | |
|---|---|---|
| モデル ID | muse-spark-1.3 | muse-spark-1.3-contributor |
| 入力 100 万トークンあたり | $1.25 | $0.10 |
| キャッシュ入力 100 万トークンあたり | $0.15 | $0.002 |
| 出力 100 万トークンあたり | $4.25 | $0.20 |
| 1 分あたりの上限 | 3,000 リクエスト、4,000,000 トークン | 150 リクエスト、3,000,000 トークン |
Contributor が安いのは、送った内容と返ってきた内容を Meta がモデルの訓練に使うことに同意するのが条件だからです。Standard ではそうなりません。顧客のデータ、社内文書、個人情報が含まれるなら Standard、公開データで実験するなら Contributor に向いています。
1 分あたり 150 リクエストまでしか送れないので、短いリクエストをまとめて大量に送ると、まずこの上限に当たります。
Web 検索グラウンディングは別料金で、1,000 クエリあたり $2.50 です。
公式ドキュメントには無料枠の記載がなく、支払い方法を登録した後は利用量に応じた課金になります。毎月どのくらいになるかは、想定トークン量から計算できます。
Llama はまだ使えるのか、Muse との関係は
Llama はまだ使えますが、Meta Model API では提供されていません。Meta のオープンソースモデルファミリーで、Hugging Face か Kaggle から重みをダウンロードし、ライセンス条項に同意して自分でホストします。Meta のヘルプセンターには、Llama は Meta Model API では提供していないと明記されています。
最新の世代は Llama 4 で、Scout と Maverick の 2 モデルがあります。ライセンスの発効日は 2025 年 4 月 5 日で、その後は新しいものが出ていません。Muse Spark は 2026 年 4 月 8 日に初めて発表され、続いて 7 月 9 日の Muse Spark 1.1、8 月 5 日の Muse Spark 1.2 と Muse Code、8 月 10 日の Muse Glimmer、9 月 2 日の Muse Spark 1.3 と続きます。
Meta は Llama の開発を止めたとは言っていません。自分でモデルをホストしたいなら Llama の重みは今もありますし、Meta 公式のマネージド API が欲しいなら今は Muse です。
API で Llama を呼びたいけれど自分でホストしたくない場合、MixRoute のモデルカタログには Llama 4 Scout、Llama 4 Maverick、Llama 3.3 70B があり、OpenAI 互換の形式でリクエストを送れます。
複数のモデルを併用するときの API キー管理
1 つのエンドポイントにまとめます。MixRoute は OpenAI 互換のエンドポイント(https://api.mixroute.ai/v1)を提供していて、キーごとに呼び出せるモデルを指定のいくつかに制限できます。テスト用に 1 本、本番環境に別の 1 本という使い分けをしておけば、止めるときはその 1 本だけを無効にすれば済みます。キーを分けるやり方は、API キー管理の記事に詳しく書いてあります。
価格はチャージ金額の段階とプラン内容で確認できます。法人で利用量や契約の相談をしたい場合は、営業窓口に直接問い合わせてください。
FAQ
日本から Meta Model API は使えますか?
日本は Meta が公表している制限リストに入っていません。Meta は使えない地域だけを列挙する方針で、現在のリストには中国(香港、マカオを含む)、ロシア、イラン、北朝鮮などが載っており、使える国は別途列挙していません。Muse Image はインドでは提供されません。
Meta Model API に無料枠はありますか?
公式ドキュメントには無料枠の記載がなく、リクエストを送る前に支払い方法の登録も必要です。最低利用額はないので、テストで数回送るだけなら金額はごくわずかです。まったくお金をかけたくない場合は、Muse Glimmer の重みをダウンロードして自分のマシンで動かせます。API キーは不要です。
OpenAI SDK を使っていたコードはたくさん直す必要がありますか?
直すのは三か所だけです。base URL を https://api.meta.ai/v1 に、API キーを Meta のものに、model を muse-spark-1.3 に変えます。API キーは自分で渡す必要があり、SDK は MODEL_API_KEY を読みません。
Muse Spark は音声を扱えますか?
音声を入力できますが、muse-spark-1.3 は音声理解がまだ不完全で、Meta は音声の処理には muse-spark-1.2 を使うよう勧めています。音声を文字にするだけなら、Muse Voice Transcribe がそのためのモデルで、音声 1 時間あたり $0.18 です。
API キーを増やせばレート制限は増えますか?
増えません。制限は team 全体で 1 つとして数えます。Standard は 1 分あたり 3,000 リクエスト、4,000,000 トークン、Contributor は 1 分あたり 150 リクエスト、3,000,000 トークンです。
Contributor プランは本番製品に使えますか?
送るデータ次第です。Contributor の条件は、入力と出力を Meta がモデルの訓練に使えることなので、機密性の高いデータや個人情報は送れません。製品がユーザーデータを扱うなら Standard を使います。